中華エミュ機を拡散した伊インフルエンサーにガサ入れとエミュレーターにまつわる著作権絡みの話

エミュレーター,日常BIOS,エミュレーター,ネタ,中華エミュ機,著作権

イタリアの中華エミュ機インフルエンサーが当局にがさ入れされる

doritosさんのタレコミです、ありがとうございました!

結論

今回の件で間違えてほしくないのは、エミュレーターは合法です
事例を挙げれば、任天堂がエミュレーターを利用しています(参考 参考



違法なのは、
海賊版のROM/BIOSを使って遊ぶことです
今回は明らかに同梱されたMicroSDカード内の海賊版のROM/BIOSが原因です
それらを含んだ製品を広く宣伝した行為が法律違反となったようです。
海外勢ってお菓子のオマケ感覚で海賊版使うからね…

余談ですが、アンバーニックの日本語ページ
Youtuberさんの助言により海賊版ROMバンドルなしで販売されています。安心安全。
doritosさんからツッコミがあり付属SDにダメなファイルが含まれていたそうです。
自分が購入した時はなかったように思うんですが、後から変わった?
いずれにせよ付属SDは破棄して、自前のまっさらSDにCFWで運用するのが良さそうです。

個人の意見として

技術的保護手段がされていない製品であることを前提に
自分で吸出したゲーム/BIOSを使って遊ぶことは
私的複製としての家庭内利用である限り、合法と自分は判断しています。

BIOSの神聖視化?私的複製と商業販売を錯誤?

ゲームもBIOSも著作権で長期間の保護がされていますが
私的複製かつ家庭内利用において
BIOSだけが特別扱いされることはないと考えています。

なんかゲームはいいけどBIOSはダメって変に神聖視する話が出てるんですが…
どうもレトロフリークが非対応だ!ってのが根拠のようです(えー)
企業の商業活動個人の私的複製をごっちゃにしてる気がします。大丈夫か?


企業の商業活動だと純正BIOSは許諾を得ないと添付できません
互換BIOSを開発するのはクリーンルーム設計が必要になるなど
厳しいのもあり、対応と発売を見送ったと予想します。

ちなみに海外製のポリメガは自社開発の互換BIOS使ってます(※)が
ユーザーが抽出した純正BIOSを入れることも可能になってます
あれは中身linuxのローエンドPCなので、専用機と思い込んでる人多いけど。


※米国VGS訴訟でPS1BIOSの解析がフェアユースと認められた判例があります。(参考)


個人の私的複製としてBIOSの抽出し
エミュレーターを実行することは、特段の問題は生じない筈です
ただし海賊版のBIOSで遊ぶのはNGなのはゲームと同じ話です。

技術的保護手段とする認定にはハードルがある



上記文章ではMicrosoftのアクチベーションは認められないとされています。
たしかに私的複製で認められない、技術的保護手段が存在しますが
それらは少なくとも、後期のコンシューマーからの話になると思います。
(そしてディスコンしたハードのそれらに対し、企業が個人を訴訟対象にするかというと…)

レトロフリークが非対応なCDを使ったものはすべてダメ!と言うのは暴論かと
そうするとPOLYMEGAは大変なことになるのでは?と。

海賊版から抽出したROMは海賊版になる

当たり前の話ではありますが、正規許諾を取得して販売されているミニハードや
復刻されたゲーム等からのROM抽出は(EULA回りは別として)正規ライセンスに相当します
ただしハードやソフトは売却せずに保持していることが前提です(私的複製の観点から)。

海賊版ROMを詰め込んで販売している製品を購入するのは
処罰する法律がありませんので、罰せられることはありませんが(販売はダメ)
それらの海賊版の製品からコピーしたROMは海賊版扱いになりますので、注意が必要です。
たまにブログで書いてる人が令和でも散見されるのですよねえ。

オマケ

BIOSダンプの実例と検証


ROMライターない人はプロコムズリンクやSAROOやSatiatorで抽出できるかと。


SSFは実験的な感じになってるような?

Ymirは出たばかりですが動作は悪くないですね
音声周りの精度を高めたことで動作が改善したそうな。
しかし脱衣麻雀というジャンル自体が死んじゃいましたねえ。せつねえ。
いちおうぺたぺた



しかし判例もないのに、だれぞ個人の謎の解釈が拡散してるのも困りますねえ;
何というか奇妙な話が当然のように語られてるのも
この界隈の混沌な側面なのかもしれません
まあ自分も法曹ではないので、あくまで個人の意見論評にすぎませんが。

これを受けて中華エミュ機は
MicroSDなし版が必ず販売されるようになるのかな?
あとイタリアやEUは通関が厳しくなるかもですね。

いずれにせよ、みなさまご安全に!